ネクタイを固定してくれるネクタイピンは、普段からスーツを着用する方にとっては必須の項目です。 ただし葬儀となれば服装やアクセサリーの着用に関するマナーも多いため、ネクタイピンを付けるべきか心配な方もよろしくお願いします。 この記事では、葬儀の場でのネクタイピンに関するマナーを解説します。
目次
葬儀でネクタイピンは付けてもいいですか?

葬儀でのネクタイピンのマナーや、ネクタイピンを付けるときの選び方・付け方について解説します。
基本的に葬儀の場ではネクタイピンはNG

葬儀の場ではネクタイピンを付けることは基本的にNGです。 ネクタイピンの本来の役割は、ネクタイがつかないように固定するためのものです。 ネクタイピンをつけることで食事の時に汚したり手洗いで濡らしたりすることを避け、前屈みになったときや作業の時も垂れないようにします。
しかしネクタイは実用的な役割のほかに、フォーマルなシーンなどではVゾーンを飾るとしての役割もあります。 そのためネクタイピンをつけていることで、華美な印象を与える可能性もあります。
また葬儀の場では基本的にジャケットを着用しており、ネクタイがずれてしまうような動作も多くありません。
葬儀用のネクタイピンであればOKな場合もある

葬儀でのネクタイピンの使用は基本的にNGとされていますが、葬儀用のネクタイピンであればOKな場合もあります。
真珠に込められた意味などを考えると、女性だけでなく男性が着用していても問題はありません。
また真珠以外の黒曜石やジェット、オニキスなど扱われたモーニングジュエリーは葬儀でよく選ばれるアクセサリーです。モーニングジュエリーはヨーロッパにも喪に服する期間に着用するアクセサリーとして選ばれているものです。
そのほか、葬儀用として光沢のないダークカラーの素材でシンプルなデザインのものも流通しています。 どうしてもネクタイピンを付ける場合は、葬儀用である真珠やモーニングジュエリーを扱ったもの、ダークカラーのシンプルなデザインを選びましょう。
どうしても着用が必要な場合は見えない場所に付ける
葬儀にふさわしいネクタイピンであっても、付け方も工夫しましょう。 デザインを結んだ時には小剣(下側にくる細いほう)とシャツをネクタイピンで固定すれば、ネクタイの剣でネクタイピンが隠れます。 この方法であればジャケットの隙間からや脱いだときにも見えにくいので安心です。
葬儀で絶対避けるべきネクタイピン

葬儀では絶対に避けるべきネクタイピンは、タイタックピンやスティックピンなど装飾性の強いタイプのネクタイピンです。
タイタックピンはネクタイに針を間に固定するタイプで、針の頭には宝石などの装飾が施されているデザインが主流です。 またスティックピンも針を一貫して固定するタイプですが、タイタックピンよりも針が長いタイプのネクタイピンです。 いずれも結婚式などのシーンで華やかさを出してくれる、装飾性の高いデザインがほとんどです。
葬儀でネクタイピンを付けてはいけない理由とは

葬儀でネクタイピンを付けてはいけない理由は、葬儀の場では装飾品を避けるべきだからです。
和装の場合は本来、結婚指輪以外のアクセサリーを着用することが前提であり、以前は葬儀の際に和装を着用することが多くなっていたアクセサリーの着用は相応しくないとされていました。
華美な印象を考えるために装飾品がNGとされている点と、洋装が多いことで装飾品に関するマナーが変化しているような背景を知っておくとよいでしょう。
葬儀で付けてもよいとされる装飾品

葬儀につけてよいものとされる装飾品は結婚指輪と、女性で洋装の場合は1連ネックレスと1粒の固定イヤリング(ピアス)です。 結婚指輪でもシンプルなものであれば問題ありませんが、宝石があしらわれたものや装飾性の高いデザインなど華美なデザインであれば身につかないほうが無難です。
洋装の場合でネックレスやイヤリングを合わせることが増えても、注意しなければいけない点はあります。 まず宝石や煌びやかなチェーンなどのアクセサリーは避けるべきです。 また2連のネックレスは幸運があると言われるため、葬儀の場では縁起が悪く相応しくありません。
反対に葬儀にも相応しいものは、上記で紹介したとおり真珠やモーニングジュエリーのアクセサリーです。
また腕時計も装飾品であるための葬儀では基本的に付けないのが無難ですが、どうしても付ける必要性があるときは腕時計のデザインに注意しましょう。 革素材は殺生を連想させるためNG、ゴールド素材は華美すぎるため避けます。 カジュアル感の強いデジタル時計やスポーツ用もあまり適当ではありません。
まとめ
普段からスーツを着用する方にとってネクタイピンを付けるのは日常的ですが、葬儀の際は何も気にせず付けないように注意が必要です。 ネクタイピンはジャケット着用の場合に付ける必要はなく、アクセサリーとしての面もあるため葬儀の場ではNGです。
しかしどうしてもネクタイピンを付ける場合は、葬儀でのアクセサリーのマナーを理解した葬儀用のネクタイピンを選んで、見えないように工夫して付けることが大切です。