カフスボタンはビジネスシーンでも着用できるファッションアクセサリーのひとつで、上品さや個性を引き立てるアイテムです。この記事では、ビジネスシーンにおけるカフスボタンの適切な着用方法について詳しく解説します。
目次
カフスボタンはビジネスでの着用はアリ?
カフスボタンは、ビジネスシーンでの着用が可能です。カフスボタンとは、シャツの袖口にあるボタンホールに付けるアクセサリーのひとつです。その発祥は17世紀のフランスにまでさかのぼり、歴史ある装飾品として現在でも使用されています。
カフスボタンという呼び名は実は和製英語であり、正式には「カフリンクス」といいます。袖口(cuff)をつなぐ(link)という意味を持っています。
カフスボタンは結婚式などの式典で身につけるものとイメージされる方が多いですが、ビジネスの場面においても着用されます。ネクタイや時計などスーツスタイルで着用可能なアクセサリーとしてはまだ浸透度が低いですが、だからこそマナーを守って身につければ好印象を残せます。
ビジネスシーンでカフスボタンを着用するメリット
ビジネスシーンでカフスボタンを付けるメリットは、大きく2つあります。1つめは、スーツスタイルでもファッションを楽しめること、2つめは、さりげなく自分らしさを表現したり個性を発揮したりできることです。
ビジネスシーンにおいてスーツはよく着用されますが、その反面ファッションとしてコーディネートを楽しむ余白はそれほど多くありません。そんなスーツスタイルにおいてファッション性を見出せるポイントのひとつが、カフスボタンです。
カフスボタンはさまざまな種類やデザインがあり、着脱も簡単に行えます。カフスボタンに合うようにワイシャツにもこだわれば、ビジネスシーンでもファッションとしてスーツスタイルを十分に楽しめます。
またカフスボタンを付ければ、さりげない自己表現が行えます。一般的なスーツスタイルは上品さや誠実さを感じさせますが、みな同じような形や色をしており、どうしても没個性的な印象になってしまいがちです。
しかしそんなスタイルにもカフスボタンをプラスすれば、きちんとした印象を保ちつつ個性を表現できます。名刺交換の際やプレゼンテーションのときなど、袖口がジャケットから覗く場面は特に、カフスボタンが目に留まりやすいです。手首でキラリと光るカフスボタンは相手の印象にも残りやすく、また自分に自信のつくファッションをしていれば仕事へのモチベーションも増加します。
ビジネスシーンにおすすめのカフスボタンの選び方
ビジネスシーンでカフスボタンを付けるなら、シンプルなデザインで装飾が控えめなものがおすすめです。具体的には、シルバー系のものやスーツと同じ色合いのもの、マットな質感のものなどが挙げられます。カフスボタンだけの状態で見ると、地味に感じるくらいがちょうどよいです。
手首は、ファッションにおいて人の視線が集まりやすい場所といわれています。そのためデザインが地味でも、カフスボタンがあるだけで華やかさが感じられます。ビジネスシーンで着用するカフスボタンは派手すぎないものがよいとされるため、シンプルなものを選びましょう。
反対に、ビジネスシーンで避けるべきカフスボタンのデザインは、派手なものや装飾感の強いものが挙げられます。ゴールド系、カラフルな色合いのもの、宝石などの装飾がついたものは、避けるようにしましょう。
また個性的なモチーフのものに関しては、クリエイティブ職の方や個人で事業を行っている方などは、シチュエーションによっては問題ありません。いずれの場合もTPOを守り、カフスボタンが目立ちすぎないように気をつけましょう。
さらにカフスボタンを付けた際のコーディネートに悩んでしまう方は、全体の色味を合わせるように意識してみましょう。スーツ、ワイシャツ、ネクタイなどの色合いと、カフスボタンの色を合わせれば、個々のアイテムが浮かずにまとまりのあるコーディネートが組めます。
ビジネスシーンにカフスボタンを着用する際の注意点
カフスボタンがビジネスシーンでも着用できることは上記でも説明しましたが、よりスマートに装着するためには着用の際の注意点があります。シャツの種類やマナーを守って、カフスボタンを付けましょう。
すべてのシャツに付けられるわけではない
カフスボタンをビジネスシーンで付ける際の注意点のひとつには、シャツの種類にあります。カフスボタンは、どんなシャツにも付けられるわけではありません。カフスボタンが付けられるシャツは基本的に、ボタンホールが2つあるシャツです。種類としては3つあり、ダブルカフス(フレンチカフス)、コンバーチブルカフス、テニスカフスと呼ばれています。
反対に、カフスボタンが付けられないシャツには、ボタンホールが1つしかないシャツなどが挙げられます。このようなシャツは、シングルカフスと呼ばれます。シングルカフスはボタンホールが1つしかないため、カフスボタンが通せず付けられません。
ダブルカフス(フレンチカフス)
ダブルカフスは、腕まくりをするように袖口を1度折り返してからカフスボタンを付けるシャツです。袖口を2枚付けたような長い形状になっており、折り返してカフスボタンを付けるのが前提のデザインになっています。
ダブルカフスは、カフスボタンを付けるためのシャツのためボタンが付いていないことや、袖口を折り返して二重にするため重厚感が出ることが特徴です。結婚式やその他の式典など、晴れ着として着用されることが多いです。ボタンホールを4つ重ねてからカフスボタンを通すため、慣れていないと装着が少し難しいと感じる場合があります。
コンバーチブルカフス
コンバーチブルカフスは袖口の両方にボタンホールがあり、シャツのボタンでもカフスボタンでも袖口を留められるシャツです。袖口のデザインとしてはもっとも一般的なもののひとつで、ビジネスシーンでも着用できます。
ボタンが1つしかない場合と2つある場合がありますが、いずれにしろボタンホールが2つあればコンバーチブルカフスといいます。ちなみにシャツにボタンが2つ付いている場合は、その間にボタンホールがあります。
コンバーチブルカフスにカフスボタンを付けるときは、ダブルカフスのシャツのように袖口は折らずに、ボタンホールの裏同士を重ねた状態でカフスボタンを通します。カフスボタンなしでも着られて汎用性が高い反面、カフスボタンのデザインによってはボタンが邪魔になってしまうこともあります。
テニスカフス
テニスカフスはダブルカフスと同じように、カフスボタンを付けて着用するためのシャツです。袖口にシャツのボタンは付いておらず、ボタンホールが空いているだけで、カフスボタンのみで留められるようになっています。カフスボタンの装着方法はダブルカフスとは異なり、袖口は折り返さずに装着します。
テニスカフスはボタンもなく袖口も折らないシンプルなデザインのため、カフスボタン専用のシャツの中ではもっとも正式なものといわれています。ただし現在ではほとんど見ないデザインとなっており、既製品でテニスカフスのシャツを見かけることはまずないです。
マナーを守って着用する必要がある
ビジネスシーンにおいてカフスボタンを付ける際は、マナーを守って着用することも重要です。カフスボタンに関するマナーは主に3つあり、まずきちんとスーツを着こなすこと、TPOに配慮すること、色やデザインはなるべく控えめなものを選ぶこと、などが挙げられます。
まずカフスボタンを身に付ける際にもっとも重要なのは、その土台となるスーツをきちんと着用することです。どんなにマナーを守ってカフスボタンを身につけていても、大元の服装であるスーツの着方が良くなければ、好印象を残すことはできません。
スーツを着るときは、サイズがきちんと合っているか確認することが重要です。特にワイシャツは、大きすぎず小さすぎないジャストサイズのものだと、カフスボタンを付けたときにもっとも見栄えがよく見えます。
次に、ビジネスシーンでカフスボタンを付けるときに気をつけるべきことは、状況にあった場面で身につけられているか注意することです。ビジネスシーンにおいては、特にこの場面ではカフスボタンを付けてはいけないという状況はありません。基本的にどのようなときでも、カフスボタンを身につけられます。
しかし社内で服装についての規定がしっかりと決まっている場合、カフスボタンを付けるとマナー違反と受け取られてしまうこともあります。そのためビジネスシーンでカフスボタンを服用する場合は、会社の雰囲気に合っているか、業務の邪魔にならないかを判断してから使うようにしましょう。
もしカフスボタンの着用が問題ない場合は、とくに社外の方と会うときに着用するのがおすすめです。カフスボタンを付けていれば身だしなみに気を使っていることがアピールでき、また話がふくらむきっかけにもなります。
さらにビジネスシーンでカフスボタンを装着するときは、色などのデザインにこだわる必要もあります。シルバー系やマットな質感のものなど、シンプルなデザインがおすすめです。着用マナーをしっかり守って、好印象を感じさせるようにカフスボタンを装着しましょう。
ビジネスシーンにおすすめのカフスボタン5選
ビジネスシーンでおすすめのカフスボタンは、華やかすぎず落ち着いたデザインのものがよいとされています。ここでは実際におすすめのカフスボタンをピックアップして、それぞれの魅力をお伝えします。
Croise Cufflinks
シルバーの色合いに規則正しく細かいカットが入った、シンプルなカフスボタンです。控えめでおとなしいながら品のあるデザインは、袖口でキラリと光ってスーツスタイルを1段格上げしてくれます。ビジネスマンとして1つ持っていると重宝します。
Mirage Cufflinks
ヴィンテージボタンをモチーフとしたカフスボタンです。柔らかな丸いフォルムや中心のステッチなどにより、本物のボタンのように見えます。目立たないながらさりげなく輝くデザインは、初めてのカフスボタンをお探しの方におすすめです。
Sephotra Cufflinks
ブラックの石がはめ込まれた、小さめサイズのカフスボタンです。スーツスタイルに合う色合いとさりげない存在感が、シックで男性的な魅力を引き立てます。シルバー系ではないカフスボタンをお求めの方におすすめです。
Heximperiale Cufflinks
1900年代のモデルを復刻させた、ルイファグランのシグネチャーモデルです。産業革命や飛行船を彷彿とさせる、ヴィス(ネジ)をモチーフにしています。ゴールドの色合いですがシンプルなフォルムとデザインで、スーツスタイルに華美すぎない華やかさをプラスします。
Amora Cufflinks
ルイファグランにおいて定番の、シンプルノットモデルのカフスボタンです。組紐の部分は、職人が一つひとつ手で巻き込んで丁寧に作っています。主張しすぎないシルバーの色味と正統派なデザインが、どんなビジネススタイルにもよく似合います。
まとめ
カフスボタンは、ビジネスシーンでも着用可能なアクセサリーです。おすすめのデザインは目立ちすぎないシンプルなもので、シルバー系やスーツと同じ色合いなどがよいです。またカフスボタンを付ける際は、シャツのデザインも重要です。ボタンホールが2つある必要があるため、しっかりと確認しましょう。