身だしなみに気をつけているビジネスマンにとって、スーツスタイルを引き締めてくれるネクタイピンは重要な項目です。 しかし、ネクタイピンの正しい付け方は意外と知られていないことも多いです。
目次
注目の『ネクタイピン』の役割とは

ネクタイピンは、スーツスタイルで使えるアクセサリーのひとつです。 普段気にせず付けている方も多いと思いますが、その役割にはどんな意味があるのでよろしくお願いします。 以下では、ネクタイピンの役割を3つ紹介します。
作業が増える
ネクタイピンの最大の役割には、ネクタイを固定して仕事をしやすくすることが挙げられます。 ネクタイを結ぶときは、首元で締めて胸元に垂らすように着用します。
前傾姿勢になるたびにネクタイが揺れていると、仕事がやりにくいだけでなく、食事や手洗いなどの日常動作にも支障をきたす可能性があります。
しかしネクタイピンがあれば、どんな服装をしていてもネクタイが固定でき、あらゆる作業の邪魔になりません。ネクタイが動いてしまうのが気になる方は、ぜひネクタイピンを使ってみてください。
ネクタイの消耗を防ぐ
ネクタイピンの役割には、ネクタイを消耗するから守ることもあります。
そのようなときはクリーニングに出して、補修すればよいと思う方もいるでしょう。 ただし、ネクタイの生地として使われているシルクは何度もクリーニングしているのが真実で、生地が伸びるなどして傷むリスクがあります。
そしてそのためには、ネクタイピンを付けてネクタイとワイシャツが擦れるのを防ぎ、生地が消耗するのを防ぐ必要があります。 特にシルクなど繊細な生地でできているネクタイを締めるときは、一緒にネクタイピンを付けようにしましょう。
個性を出す
ネクタイピンの3つめの役割としては、ファッションアイテムとして個性を表現することができます。 ネクタイピンはファッションアイテムとして非常に有効で、付けているだけで堅実かつ引き締まった印象を与えてくれます。
また、ネクタイピンにはいろいろなデザインがあります。柄のネクタイに合わせてシンプルで主張の少ないものを選ぶのもよいですし、モチーフデザインのものを選んでコーディネートのアクセントに使うのもおすすめです。
普段のスタイルにネクタイピンをスーツに加えれば、いつもとは違う新しい自分の魅力を表現できます。ネクタイの柄やスーツの色も考えながらコーディネートして、自分に合ったスーツスタイルを極めましょう。
ネクタイピンの付け方

ネクタイピンの付け方は基本的に、ネクタイの大剣と小剣とワイシャツの3枚を一緒にして、ピンを右から左へ挿して水平に固定します。
ネクタイは、着たら表面になる一時面を大剣、裏側になるスレンダー面を小剣といいます。 ネクタイピンをつけるときはこれらの部分とワイシャツを一緒に固定して、ネクタイが揺れるのを心配します。
ネクタイの大剣と小剣にはネクタイピンを付けている方がいますが、これは間違った付け方です。
またネクタイの付け方としては、右側から挿してシャツの合わせ部分に固定します。 男性のワイシャツは左身頃が上になっているため、このような付け方をします。 留めるときは基本的に水平になるように、曲がらないように注意しましょう。
さらにネクタイピンの付け方は、ネクタイの種類によっても違いがあります。 ネクタイピンは主に6種類あり、タイクリップ(ワニ口式)、タイバー(クリップ式)、ショートクリップ、タイチェーン、タイタックピン、スティックピンに分けられます。
まずタイチェーンとは、ネクタイピンのバー部分がチェーンになっているネクタイピンです。チェーンに、ハンガーのような金具がついた形をしています。シャツのボタンに金具を付けて、チェーンにネクタイを通せば装着できます。
タイタックピンはタイチェーンと同じく、チェーンがついたネクタイピンです。 ピン型の装飾部分に、チェーンがつながっています。 装飾部はネクタイに、チェーンはシャツのボタンに引っ掛けて付けます。
スティックピンとは正確にはネクタイに付けるものではなく、ジャケット襟下の部分の「ラペル」にピンを付けます。モチーフに細長い針がついて、I字型をしています。ボタンホールに挿して使います。
ネクタイピンの正しい付け位置

ネクタイピンを付ける位置は、服装によって多少の違いがあります。 正しい付け位置を覚えて、よりスタイリッシュにネクタイピンを着こなしましょう。
基本的な位置
ネクタイピンを付ける位置は服装によっても異なりますが、全体的に共通していることは、見える位置に付けるのが重要であるということです。ワイシャツの上にジャケットなどの羽織を着ている場合は特に、ネクタイピンを付けていなくてもネクタイが固定されます。
そのため、ネクタイピンを付ける場合はネクタイの固定というよりかは別途、ファッションとしての意味合いが強くなる傾向にあります。よってどんな服装をしていても基本的に、ネクタイピンが見えるように付けるのがおすすめです。
しかしネクタイは別に、ファッションにおけるアクセント程度の役割です。そのため、あまり高い位置に付けて目立ちすぎるのは避けましょう。正しい付け位置としては、ネクタイピンが見える範囲で低いめの場所に付けるのが最適です。
ジャケットを着用する場合
着ている場合のネクタイピンを付ける位置は、ワイシャツの第3ボタンと第4ボタンの間あたりがおすすめです。 これはちょうど胸元あたりの位置で、ネクタイが見えている部分の上から2/3らへんです。
ネクタイピンを付けるときは、右側から水平になるように付けます。 最近ではチェック柄のネクタイの場合、その模様に合わせて斜めにネクタイピンを留める方法も流行っています。
シャツスタイルの場合
ワイシャツ1枚とネクタイだけで過ごす場合は、シャツの第4ボタンと第5ボタンの間あたりにネクタイピンを付けましょう。 シャツスタイルの場合、ジャケットスタイルと同じ位置にネクタイピンを付けると、付け位置が高すぎて悪目立ちしてしまいます。 また付け位置が高いとその分剣先が揺れたり擦れたりして、汚れたり生地が傷んだりする可能性もあります。
そのためシャツだけを着ている場合は、ネクタイピンの本来の役割であるネクタイの固定を優先して、低めの位置にネクタイピンを付けるのがおすすめです。
ベストスタイルの場合
ベストを着たスタイルに合わせるなら、ネクタイピンを付ける必要はありません。 ベストを着れば上からネクタイが固定されるため、ネクタイピンを付けなくても剣先が揺れて作業の邪魔になるようなことはありません。
しかし、ベストを着ているから同様、ネクタイピンを付けてはいけないというわけではありません。 ベストを脱ぐ可能性がある場合や、ネクタイピンをしていたほうが安心できるような場合には、もちろんネクタイピンを付けていても大丈夫です。
ベストスタイルでネクタイピンを付ける場合は、外からは見えないベストの中に装着します。 ベストを脱いでシャツ1枚になる場合は、第4ボタンから第5ボタンまで付けましょう。
お祝いの席の場合
結婚式やパーティーなどポジティブな集まりに参加するときは、シャツの第3ボタンの下辺りや、ネクタイが見えている部分の真ん中辺りに、ネクタイピンを付けるのが最適です。
パーティーシーンでは中にベストを着る場合など、季節や集まりの内容によって様々なスタイルをします。
ネクタイピンを品良く付けるためのポイント

ネクタイピンは付ける位置だけでなく付け方のコツと、品がよく吟味されたイメージを与えられます。ここでは、長さや留め方にもコツを紹介します。
ネクタイの幅より少し短いタイプがおすすめ
ネクタイピンの適切な長さは、ネクタイの幅の3/4前後と考えられています。このサイズが、ネクタイにつけていてバランスがよいとされています。
地面と水平に配置する
ネクタイピンを品良く付けるためには、床と水平に固定する事が重要です。 水平に付けることで、きっちりとした印象や堅実なイメージを持って頂けます。 ファッションとして斜めに付ける方法もありますが、ビジネスシーンでは水平に付けるのがおすすめです。
まとめ
今回の記事では、ネクタイピンの正しい付け方を解説しました。 ネクタイピンを付けるときはネクタイとシャツの両方を持って、水平になるように正しくから挿します。 付ける位置は、シャツだけの場合は第4ボタンと第5ボタンの間に、ジャケットを着る場合は第3ボタンと第4ボタンの間に付けます。